相続法改正

相続登記の義務化    2023年度施行の見通し


所有者不明土地の解消策を盛り込んだ改正民法と改正不動産登記法、新法の
相続土地国庫帰属法が令和3年4月21日に成立しました。

相続登記を義務化すること。
不要な土地を手放して国有化できる制度を創設しました。

一部を除き2023年度にも施行される見通しです。

 所有者不明土地解消に向けた改正民法のポイント

 ○土地の相続を知った日から3年以内の相続登記申請を義務化
 ⇒申請しなければ10万円以下の過料を科す

 ○住所変更後2年以内の変更登記申請を義務化
 ⇒怠ると5万円以下の過料を科す

 ○所有者が特定できない土地の管理人を裁判所が選任する制度を創設
 ⇒裁判所が所有者を特定できない土地の管理人を選び、所有者に代わって
  管理や売却を行う

 ○条件付きで相続した土地を手放して国有化できる制度を創設
 ⇒相続した土地を手放し国有化出来るようにする。
  法務局が認めれば10年の土地管理費に相当する金額を納付することで
  所有権を放棄できる。



自筆証書遺言の方式緩和 2019年01月13日施行 新968条

これまで自筆しか認められていなかった財産目録がパソコン等で作成したものも認められるようになります。
但し、偽造防止の為全てのページに自筆の署名と押印が必要となります。
 

法務局における遺言書の保管等に関する法律 2020年07月10日施行

これまで自筆証書遺言を保管するのは自宅か金融機関や弁護士、司法書士などへの依頼が大半でしたが全国の法務局で保管してもらえるようになります。
相続人が遺言の存在を簡単に調べられるようになるでしょう。

但しこちらの施行が2020年07月10日からになりますので施行までの
保管には充分にご注意ください。

遺言執行者の権限の明確化等 2019年7月1日施行

これまでは遺言執行者の地位について《相続人の代理人とみなす》とする規定があるだけで明確ではありませんでした。
その為、遺言執行者と相続人との間でトラブルが生じることもあり、それは遺言執行者の法的地位、その権限内容が明確になってないのがひとつの原因ではないかと思われました。
そこで今回の遺言執行者の権限を明確化するための改正が行われました。

配偶者短期居住権 20200401日施行  新1037~1041

配偶者は相続開始の時に被相続人所有の建物に無償で居住していた場合には遺産分割が終了する日又は相続開始の時から6ヶ月を経過する日のいずれか遅い日までの間引き続き無償でしようすることができます。

また相続開始の時に配偶者が被相続人所有の建物に無償で居住していた場合 居住建物の所有権を取得した者はいつでも配偶者の対し配偶者短期居住権の消滅も申し入れをすることができますが、その申し入れを受けた日から6ヶ月間は配偶者は引き続き無償でその建物を使用することができるようになります。

 

配偶者居住権  20200401日施行 1028~1036

相続開始時に配偶者が居住していた被相続人所有建物を対象として終身又は一定期間、配偶者にその使用又は収益を認める 配偶者居住権 という法定の権利を新設し遺産分割tにおける選択肢の一つとして配偶者に配偶者居住権を取得させることができるとした他被相続人が寄贈等によって配偶者の配偶者居住権を取得させることができることになりました。


配偶者短期居住権と配偶者居住権の異なるポイント


★亡くなった方が旦那様の場合★


 配偶者(奥様)が被相続人(旦那様)の買った建物に相続開始時点で、無償で居住している必要があります。

その条件を満たしていれば6カ月間は、無条件かつ無償で住み続けられます。

(配偶者短期居住権)


それ以降になると、遺産分割または遺贈あるいは裁判所の審判が必要になります。

(配偶者居住権)



配偶者(奥様)が相続開始時に被相続人(旦那様)の建物に無償で居住している場合に、居住建物に無償で居住できる点は同じです。


配偶者短期居住権は、配偶者居住権と異なり、遺産分割や遺贈、家庭裁判所の

審判がなくても認められるものです。


配偶者居住権の存続期間は最低6カ月間ですが、配偶者居住権は、配偶者(奥様)

の終身の間または遺産分割や遺言で認められた間認められます。

 

配偶者居住権は、登記制度があり 対抗要件・妨害排除請求権がありますが、
配偶者短期居住権にはこれらの権利はありません。



配偶者居住権の登記が必要になる場合


配偶者居住権を取得した配偶者が居住建物の所有者でない場合、登記する必要があります。

登記していれば、仮に所有者が第三者に居住建物を売却した場合でも第三者に対抗できます。

また、第三者が建物の使用を妨害する場合には、妨害排除請求権を行使できるようになります。

 

預貯金の仮払金制度   2019年07月01日施行

2016年12月19日の最高裁判所判決により、それまで法律が定めていた一定の相続割合に応じて自動的に振り分けられるとされていた預貯金が遺産分割の対象に含まれることが明確化されました。
それにより遺産分割協議が成立するまでは預貯金の払い戻しが出来なくなりました。
最高裁が過去の判例を変更してしまったのです。
残された家族は預貯金を引き出すことが難しくなり色々と掛かる費用に対応出来なくなってしまいます。
そこで今回の改正では遺産分割協議が終わる前でも葬儀費用や生活費の支払いの為故人の預貯金を引き出すことができるようにしました。

仮払いを受けるには2つの方法があります。

★金融機関の窓口に直接仮払いを求める
  (預貯金の3分の1の法廷相続分)

各相続人は被相続人の預貯金のうち相続開始の預貯金の3分の1に
各相続人の法定相続分を乗じた額までは遺産分割協議をしなくても払い戻しを受けることが認められました。
但し各金融機関から払い戻しを受けれる上限額があります。
1つの金融機関ごとに150万円です。
なので預貯金を複数の金融機関にて分散するなどの対策も考えられるでしょう。
相続人が払い戻しを受けた預貯金については相続人の遺産の一部を分割にて取得したものとみなされます。





★家庭裁判所に遺産分割の調停 審判を申し立てる

家庭裁判所に遺産分割の調停、審判を申し立て遺産である預貯金の全部又は一部を特定の相続人に仮に取得させる旨の決定をしてもらう方法です。
この方法は預貯金の3分の1に相続分を乗じた額という制限はありません。
金融機関における上限150万円という制限もありません。
但し時間と手間がかかります。
緊急の場合は間に合わないこともあり得るかもしれません。
その際は上限150万円の払い戻しを活用することになるかと思います。

預貯金が凍結した場合


相続が開始し、預金口座の名義人が亡くなったことを金融機関が把握すると口座が凍結して引き出すことも入金することも出来なくなります。
上記にて明記しました仮払いの権利を駆使する方法もありますが凍結された口座の預金を引き出す手続きもとれます。
但し、手続きに日数がかかる可能性があり必要な書類や金融機関により手続きが違うこともあります。

 詳細はお問い合わせください。
               担当 本間、高柳 ((有)聡明カンパニー)

相続人以外の親族が被相続人の介護等をした場合に”特別寄与料”を請求できる制度

たとえば義理の父親と同居し長くにわたり介護していた長男の嫁。
義理の父親が亡くなった場合にはどれほどの遺産が残されるのか。
答えは⇒嫁には何も残されない"息子の妻"などを想定せず。
というのが今の制度となります。
長男の嫁は相続人でないため寄与分を貰う権利がないのです。
つまり介護でいくら苦労したとしても報われない。
そこで相続人以外の親族が介護などをした場合、相続する権利がなくても相続人に金銭を請求することができるようになります。
支払い額は当事者間の協議で決めますが合意ができなければ家庭裁判所に決めてもらえます。
この場合の親族は6等親以内《いとこの孫ら》の血族と3等親以内《おいやめい》の血族の配偶者が対象です。
事実婚や内縁など戸籍上の親族でない人は請求できません。
2019年07月01日施行